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ANA海外ヨーロッパ発券でプレミアムポイントを安く貯める工夫

ANAのステイタス会員を目指してプレミアムポイント(PP)を貯めている人にとっては、アジア・オセアニア路線や国内長距離路線と比較して、ヨーロッパは運賃が高く、費用的な効率が悪いため、選択肢から外してしまうかもしれません。

しかし日本発に比べるとヨーロッパ発は割安で、さらに期間限定のスペシャル運賃を利用するとPP7円台も実現可能なほど、安い料金で手配することができます。

そこで、日本在住の人には海外発券として、ヨーロッパ在住の人には一時帰国で、ヨーロッパ発券でANAのプレミアムポイントやマイルを貯める工夫をお伝えします。

ヨーロッパ発券で値段を抑える方法についてはこちらの記事で紹介しました。
flyermiles.hatenablog.com

今回はこの方法によってどれほどの費用でプレミアムポイントを貯めることができるのかまとめてみます。
海外発券の仕組みについても解説してみたので、PP単価のよい例だけ知りたい方は3だけ読んでみてください。

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1.海外発券の基本構造。目的は安くより多くのポイント

日本在住の人は、
①日本→海外(日本発往路)
②海外→日本(ANA海外発往路)
③日本→海外(ANA海外発復路)
④海外→日本(日本発復路)
という流れになります。海外に2度滞在するプランです。

②と③の海外発券を挟むようにして①と④の日本発往復を組み、2回同じ場所に海外旅行をすることになるわけですね。

なぜこんなことをするのかというと、ANAでは日本発での料金が高く、同じ行先を逆に出発地にして往復したほうが安く、貯まるマイルやプレミアムポイントが多いからです。

海外発券の少し応用:何度も繰り返して効率よく貯める

こうしたフライトを沢山している人たちの傾向を見ていると、②と③の海外発券ではなるべく多くのプレミアムポイントを少ない費用で獲得することを狙い、①と④の日本からの往復は特典航空券や格安航空会社を使って低コストを優先していることが多いようです。

そしてその結果、①と④の期間を数か月の長期にして、海外発券を2度3度と繰り返す人も少なくありません。

こうして費用対効果の高い路線に繰り返し乗るという手段があります。

2.海外在住者は域内別都市発券として応用する

日本在住の人が海外発券する場合と違い、すでにそこに住んでいる人がANAで日本に行く場合は、通常は先ほどのように2つチケットを手配することはあまりないでしょう。

しかし最寄り空港を出発地にするより他都市からの出発のほうがお得な場合があります。

①最寄り空港A→都市B(域内往路)
②都市B→日本(ANA海外発往路)
③日本→都市B(ANA海外発復路)
④都市B→最寄りA(域内復路)

ヨーロッパではいくつかの都市発のプレミアムエコノミーがお得

この記事でヨーロッパの出発地別の通常運賃を比較しました。
https://flyermiles.hatenablog.com/entry/ana-tickets-from-europe

例えばミラノから日本へ行く場合、ANAで予約すると通常ドイツなどで1回の経由ですが、LCCで①ミラノからリスボンを予約、ANAでは②リスボン発フランクフルト経由のプレミアムエコノミーで東京へ、というルートをとるとトータルでもより安くなります。

さらにフランクフルトまでのプレミアムポイントも1700PP多く獲得できます。

ポルトガルの他に、スペイン、チェコハンガリーポーランド出発のANA海外発券がお得です(詳しくは上記記事参照)。

日本在住の人でも、台湾やソウルまでLCCで行って、そこを出発地にしてヨーロッパ行きの往復を購入するほうがトータルの料金が安く、マイルやステイタスポイントが多く獲得できる場合もあるようです。

ただし、このような手配の仕方はいつでもどこでもお得なわけではなく、また誰にでも推奨できることではありません。最寄り空港と出発地空港の距離や、その移動にかかる費用や時間によります。

目に見えて費用が節約できる、プレミアムポイントが多く獲得できる、そこに価値や楽しみを見出せる、という場合に検討してみてください。

近くの出発都市までは費用をかけずプレミアムポイントを狙わない

このような複雑なルートをいとわない場合、ANA販売航空券の出発地までは特典航空券や格安航空券などでなるべく安くし、この区間で得られるマイルやプレミアムポイントに期待しないことを基本的におすすめします。

ANAで100%以上の高い積算率の欧州域内路線はプレミアムポイント単価を含め、コストパフォーマンスがよくないからです。

3.ANAヨーロッパ発券で最もプレミアムポイントを貯める具体例

こうした工夫をしてANAのヨーロッパ発で航空券を手配する際に、最も効果が高いであろうルートの例をみてみます。

マイルやプレミアムポイント(以下PP)を貯めたい場合に値ごろ感が高いクラスは、プレミアムエコノミーです。

特にヨーロッパでは、リスボン発では通年運賃が安いだけでなく、経由地であるフランクフルトまでの距離が1000マイル以上あるため、プレミアムポイントを多く獲得できます。

また料金の安さではプラハブダペストワルシャワ発も魅力的です。

詳細な例は次のようになります。

期間限定運賃リスボン発沖縄行きでPP単価7.69円も

以下、2月上旬のセール運賃販売中にとったメモです。

リスボン発で沖縄を最終到着地にしたプレミアムエコノミーの場合は次のようになっていました。

(注:空港LIS=リスボン、MUC=ミュンヘンHND=羽田、OKA=那覇LHR=ロンドンヒースロー
  :航空会社LH=ルフトハンザ、NH=ANA、TP=TAPポルトガル

往路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
LIS MUC LH 1235 B/100% 1635PP
MUC HND NH 5866 N/70% 4506PP
HND OKA NH 984 Y/100% 1968PP

復路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
OKA HND NH 984 Y/100% 1968PP
HND LHR NH 6214 N/70% 4750PP
LHR LIS TP 971 B/100% 1372PP

合計:航空券代124,550円、PP16,199(内ANA運航13,192)、PP単価7.69円

期間限定プラハ発沖縄行きでPP単価8.36円

同じく2月上旬の期間限定運賃のプラハ発沖縄行きプレミアムエコノミーです。

(注:空港PRG=プラハ、VIE=ウィーン、HND=羽田、OKA=那覇
  :航空会社OS=ルフトハンザ、NH=ANA
往路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
PRG VIE OS 172 B/100% 573PP
VIE HND NH 5699 N/70% 4389PP
HND OKA NH 984 Y/100% 1968PP

復路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
OKA HND NH 984 Y/100% 1968PP
HND VIE NH 5699 N/70% 4389PP
VIE PRG OS 172 B/100% 573PP

合計:航空券代115,850円、PP13,861(内ANA運航12,715)、PP単価8.36円

那覇行きの効果は?1万プレミアムポイントの上乗せ

那覇行きで検索したのは私の実家や滞在先が沖縄だからではありません。
プレミアムポイントを獲得するためです。

たとえば羽田が本来の目的地の場合、上の2つの例では那覇で止まってしまうため、それぞれ那覇ー羽田の往復を追加する必要があります。
これによって、羽田ー那覇を2往復足すことになります。

追加で予約する国内線はプレミアムクラスにします。(2番目と3番目)

出発 到着 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
海外発国際線国内区間の往路 羽田 那覇 984 Y/100% 1968PP
国内線往路 那覇 羽田 984 SuperValueプレミアム28/125% 2860PP
国内線復路 羽田 那覇 984 SuperValueプレミアム28/125% 2860PP
海外発国際線国内区間の復路 那覇 羽田 984 Y/100% 1968PP

上の例でいう国際線国内区間として羽田ー那覇の普通席があることで3936PP増えます。
目的地を羽田から那覇にすると料金は1万円ほど上乗せ。時期によってはなぜか安くなることもありました。

そして間の那覇ー羽田で国内線プレミアムクラスに往復搭乗すると5720PPです。

この2往復を合わせると9656PP増えることになります。

さらに、国内区間の普通席を追加料金1万数千円を払って当日アップグレードすると1968PPから2952PPへ上がります。
すると最大で合計11,624PPを上乗せできることになります。

このように目的地を沖縄にするというのはPP獲得に大きく貢献できます。
シンガポールやクアラルンプール発の那覇行などが効率がよく人気なようです。

その他の工夫:貯めたマイルをスカイコインに交換し航空券を購入する

このように那覇往復をいれれば当然時間は余計にかかります

また、余計にかかるといえば、費用です。羽田ー那覇間のプレミアムクラスは28日以上前の料金でも時期によって変わるものの3万円以上します。

しかし、貯めたマイルをスカイコインに交換しすると、ANAの日本サイトでの購入に充てることができます。これは海外発の国際線もスカイコインで払うことができます。

まとめ

海外発券として知られている航空券手配の仕組みは、費用対効果の高い路線のチケットをメインにすえ、その出発地への自宅からの往復チケットを費用を抑えて手配する、というものでした。

シンプルなルートを複雑にしている側面がありますが、それによって得られるものに見合うと思うならば十分に有用な工夫です。

例にあげたように、時間はかかるものの、費用を抑えることや、マイルやステイタスポイントをより多く獲得することが可能です。

最も注意すべきは、2つの別々のチケットのため、乗り継ぎには十分な余裕をもって手配することです。