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デルタ航空ステータスマッチ成功:ANAプラチナ→ゴールドメダリオン

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ANAのプラチナステータスからデルタ航空のゴールドメダリオンにステータスマッチをしました。

3か月間の期間限定でデルタの上級会員ステータスを試すことができ、この期間中に一定の搭乗による要件を満たすと2021年1月31日まで資格が延長されます。
デルタはもちろんのこと、スカイチーム加盟会社のフライトを利用する場合にはステータスの恩恵を受けることができます。

若干書類の審査に手こずったので、注意点とともに報告したいと思います。

デルタ航空のステータスマッチの概要

ステータスマッチは、ある会社のサービスを一定以上利用したことで付与されたステータスの会員に対して、わが社のステータス会員の特典も素晴らしいから試してみてください(できればわが社をメインに移してね)という意図をもって行われるキャンペーンです。

申請によって、日系であれば以下のステータス会員にそれぞれ設定されたデルタの資格が付与されます。

JAL ANA →デルタ スカイチーム
クリスタル ブロンズ →シルバーメダリオン エリート
サファイヤ プラチナ →ゴールドメダリオン エリートプラス
プレミア、ダイヤモンド ダイヤモンド →プラチナメダリオン エリートプラス

デルタではダイヤモンドメダリオンが最上級会員ですが、こちらへのマッチはありません。

ステータスマッチの参加資格と注意事項

  • 過去3年の間にステータスマッチをご利用、または無償メダリオン会員資格を取得されていないこと。ただし、ミリオンマイラー・ステータスを通して無償メダリオン会員資格を取得された場合を除きます。
  • ② 現在、対象となる他の航空会社が公示する取得条件を満たした上でその会社のエリートステータスをお持ちであること(無償のステータスもしくはキャンペーンで獲得したステータスは対象外
  • ③ 現在エリートステータスをお持ちであることを証明する有効な書類、およびお持ちのエリートステータスがわかる明細の両方をご提示いただけること

この3つの条件をすべて満たしている必要があります。
特に注意すべきはキャンペーンで獲得したステータスでないことを証明する必要があることです。そのために③の「証明する書類」と「明細」を提出しなくてはいけないのですね。

以下、この辺りを理解していなかった私の体験を詳しく報告します。

1回目は書類不備、再度搭乗履歴を提出して成功

デルタ航空スカイマイル・ステータスマッチ・チャレンジ:デルタ航空
上記のリンク内にある申請ページから、デルタの会員番号など必要事項と、書類を添付して送信します。

必要書類については、「他の航空会社のマイレージ・プログラムのエリートステータスをお持ちであることを証明する有効な書類の判読可能なコピーを提示してください。」と記載があります。

この文章だけを頼りに申請をしたのがつまづきの原因でした。

経過です。

7/15 以下を添付し申請、受付の自動メールを受信

7/30 メールで書類の不備を指摘され、以下が必要との連絡
キャンペーンでなく活動によって獲得したステータスであることを証明できる,

  • エリートステータスの証明/履歴
  • エリート会員証」

同日 上記メール宛てにCase Numberを記載して、以下を添付し送信。

  • ANAのサイトにログインし、英語サイトのマイル残高照会のページで、マイル口座概要と利用明細(搭乗履歴)を全てスクリーンショットしたもの
  • 郵送で届いたプラチナのカードを撮影したもの

8/10 ステータスマッチ成功のメール受信。デルタアプリの会員証にゴールドメダリオン反映。

ネット上には成功した人の体験談で、搭乗履歴をエクセルで自作したものをPDF化して送信した、搭乗履歴は添付しなかった、などの報告が散見されました。今回のわたしの結果をみると最初から搭乗履歴を提出したほうがよさそうです。形式についての正解はわかりませんが、上記のスクリーンショットでも可能でした。

「審査自体には申請後5営業日かかるが、合否連絡は2週間待ってほしい」とのメールのとおり、2週間前後で連絡が来ました。
不備があった私は1か月近くかかってしまいましたが、スカイチーム搭乗には間に合いました。

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マッチ後のステータスを2021年1月31日まで延長する要件

デルタのサイトの記載です。
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ステータスマッチが承認された日から3か月以内に

  • シルバー  6,250MQM
  • ゴールド 12,500MQM
  • プラチナ 18,750MQM

を獲得すると2021年1月31日まで有効期限が延長されます。

要件を満たせば1年以上もゴールドメダリオンでいられることになります。

おわりに

上級会員ステータスを持っていて、デルタをはじめとするスカイチームのステータスに興味がある人はチャレンジしてみてもよいのではないでしょうか。
その際、繰り返しますが搭乗履歴を添付するのをおすすめします。

成功した場合、向こう3年間はデルタでステータスマッチができなくなるので長期的な見通しも考慮しておきましょう。

私の場合、来年スカイチームの利用頻度が多くなる見込みは今のところありませんので、今年ステータスマッチするべきではなかったかもしれませんが、できるうちにしておきました。

ANAウィーンー羽田プレミアムエコノミー:おすすめ座席の比較

プレミアムエコノミーは快適ですが、より楽なのはどの座席なのでしょうか。
どの席も快適なのですが、その中でも比較的評価の高い最前列と最後列を比較しながら、ANAのウィーンー羽田のB787-9に搭乗しました。

以前書いた記事の続きです。こちらはウィーン空港での乗り継ぎ時間とビジネスラウンジのみの報告でした。
flyermiles.hatenablog.com

甲乙つけがたかったですが、体力的・心理的な快適さで、1人の場合ベストなのは中央列で通路側の最後部座席だと感じました。
メリット、デメリットを踏まえて、そう思う理由を書いてみます。

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往路NH206 ウィーンー羽田 B787-9

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まず往路です。

便名 NH206
路線 ウィーンー羽田
機材 B787-9
機体番号 JA875A
出発予定時刻 12:35
出発時刻 12:54
到着予定時刻 6:35
到着時刻 6:17
予定飛行時間 11時間

搭乗ゲートはG31、奥から1つ手前でした。
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往路の座席は人気の最前列バルクヘッド窓側を指定

シートの写真はこれしか撮っていませんでした。
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座席は15K。横2席-3席-2席配列で縦3列プレミアムエコノミーの最前列窓側です。ANAB787-9は縦2列もありますが、ウィーン路線では3列となります。

バルクヘッド席という、前が座席ではなく壁や仕切りの席で、前方の空間が他より広くなっているためエコノミーでも人気があります。

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この席を選んだ理由は、前が広いということで、窓側であっても隣の通路側の人に立ってもらうことなく席を立てるからです。

離発着時や飛行中に景色を楽しんだり、人も通らず落ち着くことができたりしながらも、通路に出にくいという窓側のデメリットがありません

ただしこの席は離着陸時には荷物を下に置くことはできないので上の収納棚に入れる必要があります。パーティションにあるポケットも小ぶりです。

外の景色が堪能できます。主翼の真横の席でした。

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プレミアムエコノミーのシートは快適、ノイズキャンセリング疲労軽減

エコノミーでの帰国に慣れている私には、座席幅が広くてゆったりしている快適なシートでした。ふくらはぎを支えるレッグレストもついており、10時間超でも身体の疲労を軽減することができました。足を置くフットレストは最前列席にはありませんが、特に気になりませんでした。

前方がさらに広い席だったため、窮屈感を全く感じることがありませんでした。

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出典:ANA

そしてプレミアムエコノミーで配布されるヘッドホンは、ノイズキャンセリング機能付。エンジン音や機内の雑音が低減され、作業や読書がはかどります。

疲労が少なかったのはシートのおかげだけだと思っていたのですが、ノイズキャンセリングによって機内での肉体的な疲労が軽減されるそうです。
そう言われるとそのような気がしてきます。

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出典:ANA

復路NH205 羽田ーウィーン B787-9

便名 NH205
路線 羽田ーウィーン
機材 B787-9
機体番号 JA892A
出発予定時刻 01:20
出発時刻 01:36
到着予定時刻 06:00
到着時刻 06:13
予定飛行時間 11時間40分

出発ゲートは記録を忘れてしまったのですが、110番ゲート前のANAラウンジに立ち寄ってすぐだったので、110か109だったと思います。

復路の座席指定は最後列中央通路側

座席は17D、縦3列の最後部、中央列の通路側でした。
最後部にしたのは後ろを気にせずリクライニングを倒せるからです。

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出典:ANA

中央列の通路側を選んだ理由は、自分が席を立ちやすく、また真ん中席の人が通路に出る場合に私が立たなくてもよい可能性があるからです。

私が通路側を選ぶときは、窓側や真ん中の人を通すために立つものだと思っているため、頻繁に立つことになったり眠っているときに起こされたりしても気にならないのですが、気分が落ち着かないこともあるのも事実です。

中央列ならば、真ん中の人は右から出るか左からでるかを選ぶわけで、二人組なら多くの場合私とは反対側から通路に出てくれます。

この狙いが功を奏し、お隣2席はご夫婦だったようで、通路に出る際はパートナーのいる側から出ていました。深夜便だったのとアルコールのせいでぐっすり眠り、復路は写真を一枚も撮っていません・・・

マスクとアイマスクなどのアメニティでさらに快適

耳栓や歯ブラシもありましたが、私はいただきませんでした。

マスクは保湿効果のあるもので、乾燥する機内(787型機はそれほど乾燥しませんが)では着用すると、その後の体調不良の予防にも役立ちます。

アイマスクは着け心地がよく、ノイズキャンセリングのヘッドホンもあり、快眠できました。眠れなくても着けて目を閉じているだけで休まるように思います。

ANAプレミアムエコノミーB787-9の座席の比較とおすすめ

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SeatGuruのシートマップでは最前列が緑でGood Seatと評価を受けています。

では比較してみます。

最前列窓側席15K(&15A)のメリット・デメリット

私にはよかった点

  • 前方の圧迫感が全くなく開放的
  • 足元のスペースが他よりも広く足を伸ばせる
  • 離着陸や飛行中の空を眺められる
  • トイレなどに席を立つときに通路側の人に立ってもらう必要がない

前が広く足を伸ばすことができ、窓側で落ち着くにも関わらず通路に出やすい、というのが最大の魅力です。

通路側の人も足を伸ばすので、私が離席する際は気を遣って足を引いてもらってしまいましたが、伸ばしっぱなしでも、ぶつからずにまたげる程度の広さではあるので、2列目以降の窓側席より気楽なのは間違いないです。

私にはイマイチだった点

  • リクライニングはほどほどにしか倒せなかった
  • 通路に出やすいとはいえ、通りやすいように足を引いてもらうのは気が引けた

後ろの人には遠慮します。エコノミーより座席間隔があるので、深くリクライニングしても後ろの人が困ることにはならないかもしれませんが、限界まで倒す気にはなれませんでした。

また、通路に出るのには十分な広さですが、かといって通路側の人を全く気にせずに通れるわけではありません。

評価
十分以上に快適だったのですが、私が気を使いすぎてしまい、シートのよさを十分に満喫しきれなかった感があります。
どちらも全く気にならないタイプの人なら、最高の座席だと思います。
特に長身で脚が長い人にはおすすめです。

最後列中央通路側席17D(&17G)のメリット・デメリット

よかった点

  • 通路に出たいときに出られた
  • 隣(真ん中)の方は私のほうから通路へ出ることはなく、睡眠や映画などを妨げられなかった
  • 後ろに誰もいないのでリクライニングを倒せるだけ倒せた

通路に出やすく、運よく隣がペアだったために真ん中の人が通路に出る際にも立つことがなく、そしてベッドのようになるほど倒れるわけではありませんが、背もたれを気兼ねなく深く倒せるという快適な座席でした。

私にはイマイチだった点

  • 窓から外が見えない

飛行機に乗る楽しみではありますが、深夜発で眠気もあるため重要ではありません。

評価
気を使うストレスなく、十分にシートの快適さを活用することができ、しっかりと休息をとることができました。前の座席の人が席を倒しても圧迫感は気になりませんでした。

足元の広さは私には全く不満なくくつろげるものでしたが、脚が長い人は足を置くフットレストとふくらはぎを置くレッグレストを出した場合に少し狭く感じるかもしれません。

終わりに:おすすめは一人なら最後部中央列通路側

プレミアムエコノミーのシート自体が快適で、その中でもより快適な座席はどちらだろうかと、両方試してみました。

結果は、甲乙つけがたかったものの、気を遣わずに休息をとりたかった私には最後部中央列通路側のほうが楽でした。
隣の人のために起こされたり席を立ったりすることが気にならないので、1人なら今後も選びたいおすすめの座席です。

一方、長身、脚の長い人は前方に大きなゆとりがある最前列のほうが快適度が大きいかもしれません。

発着の時間帯と飛行時間や機内での過ごし方、同行者の有無によっても左右され、おそらく性格や好みなどでも個人差があると思いますが、事前座席指定で空席があれば試してみてください。

ANAプレミアムエコノミーでウィーン空港ビジネスラウンジ利用

今年2月に就航したANAの羽田ーウィーン路線に搭乗しました。

ウィーン空港は、短い乗り継ぎ時間でも安心の非常に便利な空港ですので、羽田から欧州各都市をつなぐ玄関口として期待の空港です。

ウィーンから羽田へ向かう際に、シェンゲン外のオーストリア航空ビジネスラウンジを利用しました。

ANA運航便でプレミアムエコノミーを利用する場合、プラチナ、ダイヤモンド、SFC(=スターアライアンスゴールドメンバー)などの上級会員でなくても利用できます(ゴールドメンバーは隣接のセネターラウンジが利用できます)。

今回は羽田行きの際に利用できる、オーストリア航空のビジネスラウンジについて報告します。乗継ぎ時間が短い場合の参考情報も報告します。

乗り継ぎ時間が短くても安心

ラウンジについて紹介する前に、ウィーン空港は最短乗継時間が25分と謳っているほど、スムーズに乗り継ぎができる空港です。

そのためか、特に欧州各都市との乗り継ぎ時間が非常に短いことがあり、大丈夫だろうかと不安になるかと思いますが、25分という数字は信じていいと思います。

参考までに、わたしが羽田からウィーンに到着して乗り継いだ時は、予定乗り継ぎ時間が40分。

しかも到着が10分ほど遅れ、入国審査は長い列、さらに保安検査が混雑、おまけに沖止めのため搭乗口からバスに乗る必要があり、さすがに焦りました。バスに最後に乗り込むことになりましたが、間に合いました。それくらいスムーズです。

ラウンジに寄るのはもちろん、買い物をする余裕もあったわけではないので、過信は禁物ですが、次の便の30分前に到着(着陸後に飛行機が停止)していれば「過度に」焦る必要はないという印象です。

シェンゲン域内の欧州各都市から乗り継いで羽田行きへ乗る場合、手荷物などの保安検査もなく、さらに余裕ができます。

オーストリア航空ラウンジの場所

ANAの羽田行きが出発するターミナル3のゲートGを目指します。

今回わたしは欧州からの乗り継ぎでしたが、降機後にG Gatesの表記を追ってエスカレーターに乗っているとすぐに出国審査場に到着しました。

出国審査を抜けた直後、右手にオーストリア航空のラウンジがあります。

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位置はこの辺り(ANAのサイトの画像に記入)。

出国審査直前にもラウンジがありますが、通過後のほうが安心です。通過後のこちらのラウンジからGゲートの奥のほうまで5分~10分で着いた記憶があります。

ANAのサイトに空港の詳細な地図があります。
ウィーン国際空港の施設案内 | 空港・機内で [国際線] | ANA
(ラウンジの場所も記載されました)

ANAプレミアムエコノミーでビジネスラウンジが利用できる

オーストリア航空ビジネスラウンジの利用対象は以下のとおりです。

ウィーン空港 オーストリアンラウンジ

ANA便はプレミアムエコノミー搭乗者も利用できます。

出発前に届いたモバイル搭乗券には「Lounge Invitation: OS BUSINESS」 の記載があり、ラウンジ受付で搭乗券を見せると、すんなり案内されました

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受付左手にビジネスラウンジ

ちなみに、受付右手にはセネターラウンジがあり、SFCを含むスターアライアンスゴールドメンバーはこちらを利用できます。未経験ですので比較はできませんが、セネターのほうが格上のようです。

ビジネスクラス搭乗者でもゴールドメンバーでなければビジネスラウンジのみ利用できるようです。

ビジネスラウンジ内の様子

入ってすぐのところにはカフェのテーブルと椅子のような席が少々あり、そして駐機場に面した大きな窓に沿って席が並んでいます。
眺めがよく、飛行機を堪能できます。

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私が入ったときは結構混雑していて、相席で座りました。
椅子の数はそれほど多くありません。
時間が経つにつれて混雑は解消されていきました。

飲み物

コーヒー、ワインやリキュールもあります。ビールは瓶でした。

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食事

中に入ったのは朝だったのでパンとスクランブルエッグくらいでした。
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11時ころになると2種類のスープ、サラダが置かれ、
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そしてチキンカレーとご飯が提供されました。
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他のラウンジを知っている人には種類が物足りないかもしれませんが、軽食を取る場所としてなら十分だと思いました。

シャワーもあり

利用はしませんでしたが、受付近くと、ラウンジ内の2箇所ありました。

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ラウンジ受付のトイレ、シャワールーム入り口

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ラウンジ内トイレ

おむつ替えスペース付きのシャワールームもあります。
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感想

ANAのウィーン路線が就航してから、ヨーロッパ各都市から羽田へはウィーン経由が増えましたが、フランクフルトやミュンヘンと比較しても、乗り継ぎが楽な空港だと実感しました。

また、ラウンジはソファでなく椅子やテーブルであることや、座席数も多くなく、カフェに近い印象ですが、短い時間の乗り継ぎが多いウィーンでは十分な規模なのかと思いました。

飛行機を堪能していると、搭乗予定のANA787-9がトーイングされてゲートに向かっていきました。
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ヨーロッパ内でANAプレミアムポイントを貯めるSFC修行路線

ANAの上級会員であるステータスの獲得・維持には、搭乗によって得られるプレミアムポイント(PP)を一定数以上獲得する必要がありますが、要件の半分はANAスターアライアンス提携航空会社で貯めた分でもよいことになっています。

そこで、ヨーロッパ内発着のフライトで、スターアライアンス提携航空会社を利用して、ANAのステータスポイントであるPPを低出費で獲得できる路線について情報収集しました。

結論を先に書くと、SASスカンジナビア航空のプレミアムエコノミー相当のSASプラスを利用して、ヨーロッパの南東部とスペインやポルトガルに行くのが効率よく多くのプレミアムポイントが獲得できます。PP単価8円台も比較的簡単に見つかります。

ヨーロッパには多数の航空会社と就航地があり、どこに何を使って行けばより効率がよいのか分かりにくいですが、現時点の検討の過程をシェアします。

ステータスポイント目的の場合長い路線を探す

ANAのプレミアムポイントの、欧州での積算は搭乗距離と予約クラスによるので、遠いところ到着で探します。

途中で各社のハブとなる空港で乗り継ぐ場合が多いので、ハブ空港をみてみます。

1.ヨーロッパ内のスターアライアンス加盟航空会社のハブ空港

EU圏内に拠点となるハブ空港を持つスターアライアンス加盟航空会社は以下の通りです。

地図で位置関係を表すとこうなります。
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2.ルフトハンザグループのハブ空港はヨーロッパ中央:乗継で遠くの都市へ

上の地図でみると、ルフトハンザグループはヨーロッパの中央にハブ空港を持っています。
ハブ空港からの就航地で、距離が長い路線を調べました。
ただしEUのシェンゲン圏内と英国に限定しました。

各社の域内最長路線は離島が多いですね。
大陸というか本土では、ポルトガルやスペイン、ギリシャ、北欧が遠くなります。

100%積算クラスは運賃が高いですが、搭乗ポイント400追加され、往復した場合はこの区間だけで最大で2600~4300PP獲得できる計算です。

ヨーロッパ中央に位置し就航路線も多いことから、欧州内の多くの出発地からこれらのハブにアクセスしやすく、ルフトハンザグループの利用は便利です。
しかし、料金設定が比較的高めの印象です。

3.ハブが遠く、安めの北欧、ポルトガルポーランドギリシャ

次にハブ自体がやや欧州内のやや遠くにある場合です。

これらは互いに距離があり、運賃もルフトハンザグループに比べると安いことが多いです。

距離が長くなるように各ハブ空港を結びます。
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それぞれの距離は以下のようになります。

ARN-LIS 1865
LIS-ATH 1788
OSL-LIS 1722
LIS-WAW 1711
OSL-ATH 1638
CPH-LIS 1538
ARN-ATH 1524
ATH-CPH 1330

ハブ空港をつないだだけで結構な距離となりました。
特にリスボンからはルフトハンザの域内最長路線と同水準です。

乗継後の最終目的地は注意

これら各ハブ空港、特にTAPを利用してリスボン経由で遠い就航地へ乗り継ぎたいですが、TAPポルトガルの公式サイトからでは、通しでの三角飛びのルートは検索にかかりません。

ストックホルムからアテネに行くのにリスボン経由しようなんて普通は思わないですから仕方がありません。

しかし比較的近い都市でも、経由しないで行くのが普通だと思われるような場合は、検索結果に現れません。LOTポーランド航空エーゲ航空も同様です。

とすると、できる手段は、

  • 2つのチケットを予約する
  • 航空券予約サイトで検索する
  • 検索にかかる都市で最長を探す

としたほうがよさそうです。

4.最も使い勝手がよく、効率的なのはスカンジナビア航空

ところがスカンジナビア航空に関しては、このような三角飛びを通しで発券するのが比較的容易で、どこを出発地にしても大抵の場所への旅程が引っ掛かりました。

以前検索した北欧経由のローマーマラガの8月の日程です。

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100%積算のSAS Plusの予約クラスPです。
往路はストックホルム経由で、FCO-ARNが1260、ARN-AGPが1870マイル
復路はオスロ経由で、AGP-OSLが1740、OSL-FCOが1250マイル

搭乗ポイントが400ずつ加算されるので、PPは7720
料金は68,130円のため、PP単価は8.83円となります。

この鋭角の長い距離を、単価としてはよい値段で購入可能なのは大きいです。
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まとめ

欧州内の飛行機移動といえば、ライアンエアーイージージェットなどのLCCが料金、路線ともに最も使い勝手がよいのですが、お金と時間がかかっても、ANAのPPを貯める、というステータス目的のフライトを探してみました。

その結果、スカンジナビア航空が検索のしやすさ、料金ともによく、PP単価9円を切る路線を見つけられました。

ANAスカイコインが使用できないので、多用するには財布と相談が必要ですが、欧州内ステイタス修行も十分可能です。

引き続き欧州内のステータス目的のルート探しには、

  • ルフトハンザグループの中央ハブ経由で離島へ
  • 北欧を頂点に、ポルトガル・スペインとギリシャを底辺にした三角形を手掛かりにしてみます。

ルフトハンザグループのMiles&Moreまとめ(2019年)

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A321 出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

ANAとは共同事業(JV)をしているため、ANAでヨーロッパ各都市発着便を予約すると、経由地からはルフトハンザやその傘下の航空会社の運航便を利用することになります。

欧州では圧倒的な就航路線網と供給量を誇る、規模としても非常に大きく、日本人でも比較的なじみのある航空会社のひとつではないでしょうか。

そのルフトハンザグループのマイレージプログラム、Miles&Moreは、グループ各社の他に、ヨーロッパの複数国のフラッグキャリアが採用しており、多くの航空会社で共通のプログラムという特殊さがあります。そして近年マイレージプログラムの大幅な変更を行った後、現在どのような仕組みになっているのか、日本ではあまり知られていないように思います。

会員でもある私にも複雑なプログラムだという印象ですが、できるだけ正確かつ分かりやすくしてみます。

尚、予想以上に長くなり、あまり見やすいまとめ方ではないかもしれません。
目次から関心がある点だけ読んでいただいて結構です。

1.マイルズアンドモアでマイルを貯める・使えるエアライン

https://www.miles-and-more.com/online/portal/mam/jp/earn/flight?l=ja&cid=1000276
こちらを参照しました。

①ルフトハンザグループの航空会社

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(出典:ルフトハンザ)

ルフトハンザ本体をはじめ、傘下の子会社・持ち株会社にしている以下の航空会社で獲得・利用できます。

航空会社 ハブ空港 備考
ルフトハンザ・ドイツ航空 フランクフルト、ミュンヘン
オーストリア航空 ウィーン
スイス インターナショナル エアラインズ チューリッヒ
ブリュッセル航空 ブリュッセル
ユーロウイングスジャーマンウイングス吸収) デュッセルドルフハンブルグ スターアライアンス非加盟
エア・ドロミティ ミュンヘン

以降これらの会社を①ルフトハンザグループと呼びます。

②マイルズアンドモアを採用している航空会社

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出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

この他にMiles&Moreを以下の航空会社が採用しています。

航空会社 ハブ空港 備考
LOTポーランド航空 ワルシャワ
アドリア航空 リュブリャナ
クロアチア航空 ザグレブ
ルクスエア ルクセンブルク スターアライアンス非加盟、ANA非提携

マイル積算ルールの説明のため、便宜上こちらを②M&M採用グループと呼びます。

①と②を合わせると、複数の国のフラッグキャリアや、傘下のリージョナル航空、LCCユーロウイングスなど、中央ヨーロッパを拠点とした多くの航空会社が1つのマイレージプログラムを利用していることがわかります。

③その他スターアライアンス加盟航空会社

マイルの積算や使用に関しては、スターアライアンスや個別で提携した航空会社も活用できるため、ここで言及しておきます。

ヨーロッパ 北米・中南米 中東・アフリカ アジア・オセアニア
スカンジナビア航空 ユナイテッド航空 ターキッシュエアラインズ タイ国際航空
Tapポルトガル航空 エアカナダ エジプト航空 ANA
エーゲ航空 アビアンカ航空 エチオピア航空 ニュージーランド航空
コパ航空 南アフリカ航空 シンガポール航空
中国国際航空
アシアナ航空
エバー航空
マルタ航空(一部) エアインディア

このグループをまとめてスターアライアンスグループと便宜的に呼んでみます。
(マルタは非加盟です)

2.アワードマイルの積算ルール

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①ルフトハンザグループ
②M&M採用グループ
スターアライアンスグループ
と3つのカテゴリーに分けました。マイル積算ルールをわかりやすくするためですので、公式の区分ではありません。

②はMiles&Moreというプログラムを①と同様に採用していながら、マイルの積算ルールは③のその他スターアライアンス加盟各社とほぼ同等だからです。

そして、マイルの呼び方を確認します。
アワードマイル」はよく使われる意味でのマイルで、搭乗だけでなく提携店での買い物やサービス利用でも獲得できます。
ステータスマイル」は上級会員の資格獲得や継続に必要なマイル。JALのFOP、ANAでのPPと同種で、搭乗によってのみ獲得できます。

では、アワードマイルの積算ルールを詳しく見ていきましょう。

①ルフトハンザグループ発券のマイル積算ルール

距離ではなく、支払った運賃をベースにして獲得マイルが決まります。

積算マイル=燃油サーチャージ料金含む航空運賃 (ユーロ) x 4(上級会員は x 6または5)
 
 例えば、計200€の航空券を購入した場合、ステータスがなければ800マイルの加算。
 フランクフルト-羽田を予約した場合、計2,000€ならば、8000マイルです。

運航がどの会社の便であっても、発券した会社によってこの積算方法になります。
正確には、このグループの会社を通じて予約した航空券番号が以下の数字で始まる場合です。

220xxxxx(Lufthansa
724xxxxx(SWISS)
257xxxxx(Austrian Airlines)
082xxxxx(Brussels Airlines)
Eurowingsの全航空券

簡単に言うと、自社販売の場合と理解できます。

旅行会社、オンライン予約サイトでは別の積算ルールの可能性もある

旅行会社(オンライン含む)での予約は上記5社での発券であってもこれらの数字でない可能性もあるようですが、正確にどのような場合か調べられていません。

ちなみに私が大手旅行会社のHISが運営している航空券予約サイトのSurpriceでルフトハンザ発券の航空券(エコノミーH,M)を購入した際、航空券番号は 220 ではじまるルフトハンザのものでしたので、マイルズアンドモアに積算する場合は、この運賃ベースの加算になります(私はANAに積算したのでANA設定の積算ルールが適用されます。本記事では扱いません)。

団体ツアーの予約は距離×クラス積算率になるようです。

おそらく旅行会社で予約しても団体割引の運賃でなければ、上記5社発券の航空券番号となり、運賃ベース積算だと思われます。
(確実ではありませんので、ご利用の際は自己責任でお願いいたします)

②M&M採用、③スタアラ各社で発券のマイル積算ルール

ルフトハンザグループでない他社(含むM&M採用会社)販売の場合、旧来多くの会社が採用していた、予約クラスと距離を基準にした積算ルールとなります。

積算マイル=飛行距離(マイル)×クラスに基づく積算率

このルールになる明確な基準は航空券番号が、220、724、257、082で始まらない場合と、Eurowings発券ではない場合。
多くは他社販売(M&M採用グループやスターアライアンスグループ発券、旅行会社の一部運賃で航空券を購入し、マイルズアンドモアに積算する場合です。

例えばANAで発券し、マイルズアンドモアにマイルを加算する場合、以下の積算率となります。

搭乗クラス 予約クラス マイル積算率
ファーストクラス A,F 300% (最低1,500マイル獲得)
ビジネスクラス C,D,J 200% (最低獲得1,000マイル)
ビジネスクラス Z 150% (最低獲得750マイル)
ビジネスクラス P 100% (最低獲得500マイル)
プレミアムエコノミー G,E 150% (最低獲得750マイル)
プレミアムエコノミー N 100% (最低獲得500マイル)
エコノミークラス B,Y 150% (最低獲得750マイル)
エコノミークラス H,M,U 100% (最低獲得500マイル)
エコノミークラス Q,S,T,V,W 50% (最低獲得250マイル)
エコノミークラス L,K 25% (最低獲得250マイル)

クラスと距離ベースということは、フランクフルト-羽田のエコノミーで予約クラスがHとMだった場合、運賃が25万だろうと10万円だろうと、5928×100%×2=11,856マイルが獲得できます。

ただしこのクラスと距離ベースは欧州外発着の場合です。
欧州の国内線や欧州域内線ではクラス別に一律固定のマイルとなります。

例えばLOTやエーゲなど、②や③のグループで発券してマイルズアンドモアに積算する場合国内線と欧州域内線は各クラス固定のマイル積算欧州域外線は距離とクラス積算率による積算となります。

以下は他社発券のルフトハンザ運航便に搭乗した場合のアワードマイル積算表です。

ドイツ国内線 / ヨーロッパ内国内線

搭乗クラス 予約クラス マイル
ビジネスクラス C,D,J 1,500
ビジネスクラス Z 1,000
ビジネスクラス P 500
エコノミークラス B,Y 1,000
エコノミークラス H,M,U 500
エコノミークラス Q,S,V,W 250
エコノミークラス K,L,T 125

ヨーロッパ内国際線

搭乗クラス 予約クラス マイル
ビジネスクラス C,D,J 2,000
ビジネスクラス Z 1,250
ビジネスクラス P 750
エコノミークラス B,M,Y 1,250
エコノミークラス H,Q,U,V 750
エコノミークラス S,W 500
エコノミークラス K,L,T 125

ヨーロッパ外の地域発着便ならびにヨーロッパ外の地域間を結ぶフライト

搭乗クラス 予約クラス マイル積算率
ファーストクラス A,F 300% (最低1,500マイル獲得)
ビジネスクラス C,D,J 200% (最低獲得1,000マイル)
ビジネスクラス Z 150% (最低獲得750マイル)
ビジネスクラス P 100% (最低獲得500マイル)
プレミアムエコノミー E,G 150% (最低獲得750マイル)
プレミアムエコノミー N 100% (最低獲得500マイル)
エコノミークラス B,Y 150% (最低獲得750マイル)
エコノミークラス H,M,U 100% (最低獲得500マイル)
エコノミークラス Q,S,V,W 50% (最低獲得250マイル)
エコノミークラス K,L,T 25% (最低獲得250マイル)

結局Miles&Moreではマイルが貯めやすいのかどうか

ここまでまとめて、なんとややこしいルールなんだ、という感想です。
マイルズアンドモアは、低コストで沢山貯められるプログラムなのかどうか、というのが一見してわかりにくいですね。

自社販売は運賃ベースの積算で貯まりにくくなった?高額運賃で貯めやすくなった?

運賃ベースのマイル積算ルールは、デルタやエールフランス-KLMなどが採用しており、マイルを貯めにくくなったと言われています。「マイレージラン(マイル修行)の時代は終わった」という声も聞かれます。

距離の長い路線で積算率が高いクラスを安く購入すればお得にマイルを多く獲得できる、という仕組みではなくなったからです。

一方、ファーストクラスやビジネスクラスの高額運賃で、かつステータスがあれば、むしろ運賃ベースのほうがマイルの獲得数は増えます

これに関する興味深い記事をみつけましたので勝手にリンクを貼ります。
ukmiles.net

他社販売では、クラス固定積算の欧州内は圧倒的に不利、欧州外は距離とクラスベース

他社で発券しマイルズアンドモアに積算する場合は、搭乗路線が欧州域内か域外かによって、ルフトハンザグループ発券の運賃ベース積算と比べてマイルが貯めやすいかそうでないかが変わります。

ヨーロッパ域内線に関しては、他社販売の場合は一律で固定されているため、かなり分が悪くなります。
そもそも欧州域内線をわざわざ他社で買うことはないと思うので、このケースは大陸間路線での欧州内区間が想定されます。

①ルフトハンザグループで購入の場合、運賃ベースのため、無ステータスなら250ユーロで1000マイル。K,L,Tなどの最安クラス往復で150ユーロなら600マイルとなります。

②③それ以外で購入の場合、クラス固定のため、エコノミーでは高額のY,B,Mで1250マイル、ビジネスでも2000までです。
低額のK,L,Tクラスの場合、どれだけ遠くても欧州内であれば片道125マイル、往復で250マイルしか積算されません。

ヨーロッパ外発着便の場合、逆に他社販売のほうが得なケースもあります。例です。
①ルフトハンザグループでは、運賃ベースのため、フランクフルトー羽田の往復を計2,000€で予約した場合、8000マイル。

ANAなどの他社では、距離とクラス積算のため、同旅程を同じ値段(約24万円)でU,H,Mなどを予約した場合、11,856マイルです。

現状では搭乗によってMiles&Moreのアワードマイルを貯めるなら、欧州内ではルフトハンザグループで発券し、欧州域外ではその他のスターアライアンス各社で、できるだけ積算率の高い予約クラスをできるだけ安く購入する、というのが基本的な戦略となりそうです。

その他のアワードマイルの貯め方

Hotels&Cars(ホテル)

一度に多くを稼げるわけではありませんが、ヨーロッパ内の移動が多く宿泊が多い人には、補助的に有効な手段かもしれません。

見たところ、1ドルにつき1マイルか2マイル、1回500マイル、というのが多そうです。

初めての利用で、金額に応じて2000マイルか5000マイルが貯まるというキャンペーンもしているようです。
milesandmore.points.com

マイルの購入(バイマイル)は廃止

2014年まではアワードマイルの購入ができましたが、現在はマイルを買うことはできません
フライトマイルまたはステータスマイルの購入 - HELP | Miles & More

3.上級会員の条件、ステータスマイルの獲得

次にステータスマイルの積算ルール、上級会員ステータスの概要をみてみます。

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出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

会員ステータスのランクは、低い順に
 Miles & More会員(一般会員)
 フリークエントトラベラー
 セネター
 HON Circle会員
となっています。

こちらから特徴を簡略化してまとめます。
Miles & Moreのステータスレベル

特典 Miles&More フリークエントトラベラー セネター HON Circle
資格 入会 暦年内に35,000ステータスマイル、または30便搭乗 暦年内に100,000ステータスマイル 2暦年以内に600,000HON Circleマイル
スターアライアンス シルバー ゴールド ゴールド
マイル有効期限 3年 期限なし 期限なし 期限なし
マイルボーナス アワードマイル最大50%、ステータスマイル・HON Circleマイルは25%追加
優先チェックイン なし Miles&More航空会社でビジネス ファーストクラスチェックイン ファーストクラスチェックイン
ラウンジ なし ビジネスラウンジ セネターラウンジ、スターゴールドラウンジ ファーストクラスラウンジ
ファーストクラスターミナル

スターアライアンスゴールドのセネターに必要なステータスマイル

上級会員に必要なステータスマイルの積算ルールは、②③販売の積算方法と同じです。

つまり、①ルフトハンザグループで購入しても、ステータスマイルは距離とクラスに基づいて計算されます。

先ほどの例(FRA-HNDを2000€でMクラス往復)だと、アワードマイルは8,000、ステータスマイルは11,856となります。
上級会員になると、+25%のため、14,820のステータスマイルが獲得できる計算です。

セネターはANAプラチナステータスよりも簡単・・・ではない

スターアライアンスゴールドでもある「セネター」には10万ステータスマイルが必要ですから、ANAの同格ステータスであるプラチナサービス5万プレミアムポイントの倍の要件。

ANAの場合、ステータスポイントであるプレミアムポイント(PP)積算は国際線がビジネスで最高150%(J)、ファーストでも150%+400搭乗PPに対し、
ルフトハンザではエコノミーで最高150%(Y,B)、プレミアムエコノミーで最高150%(E,G)、ビジネスでは最高200%、ファーストでは300%のステータスマイルが貯まります。

ということは、条件が2倍に対して、貯まりやすさは1.5倍から2倍。
ファーストクラス以外はANAでプラチナ達成よりも多く乗る必要があるということになります。

具体例を出してみます。エコノミーで最も積算率が高いクラス(プレエコも同積算率)を条件にしてみます。

フリークエントトラベラー以上になると、25%追加になります。フリークエントトラベラーは要件が低いので、すぐに+25%の恩恵を受けられるとして、フランクフルトー羽田に150%積算のクラスに乗った場合、22,230ステータスマイルが貯まります。
セネター(=スターアライアンスゴールド)要件の10万まで貯めるには5往復する必要があります。

ANAで同じ路線の100%積算クラスに乗った場合、片道400のボーナスがつくため、12,656PPが貯まります。
プラチナステータス(=スターアライアンスゴールド)要件の5万には4往復です。

ファーストクラス搭乗で比較した場合のみANAよりも少なくて済む計算です。

自社縛りなくスターアライアンス運航便のみで可能なため機会は多い

ANAはプラチナ要件の50000PPの半分をANA運航便で獲得する必要がありますが、マイルズアンドモアのセネターには、その区別がありません。

スターアライアンス各社の運航便だけで獲得したステータスマイルでもクリア可能、ということのようです。
運航会社の制限が緩いため、スターアライアンスいずれかの拠点がある地域に住んでいれば利用機会があるので、なかなかよいですね。

ANAと比較してルフトハンザのほうがゴールド達成しやすいのでは?と思っていましたが、数字上は達成しにくい、自社制限がないので機会は増えるようです。

個人的に大きい差は、ANAにはSFCという永久上級会員資格があることです。
セネターで10万ステータスマイルを貯めてゴールドを維持する必要がなくなります。

さらに上級のHON Circle会員の扱いはすごいですが、2年で60万ステータスマイルを搭乗で貯めるのは私には現実的ではないですね。

4.アワードマイルを利用して特典航空券

アワードマイルを利用して、ANAを含むスターアライアンスの各社で特典航空券が利用できます。

マイレージバーゲンで必要マイル数が大幅ダウン

ルフトハンザでは頻繁に、通常の特典航空券に必要なマイル数を半分にするなど、大幅なキャンペーンを行っています。

例えば現在(2019年3月)では、
ドイツ発だとニューヨークビジネスクラス105000→55000マイル
日本発はLOTでワルシャワクラクフエコノミー80000→40000マイル
となっています。

行きたい場所が対象になっているときは、お得に使えそうですね。

90日前までの特典予約で必要マイル数が割引に

ヨーロッパ発日本行き特典航空券の必要マイルは、ビジネスとファーストクラスで5月9日から増えるようで、次のようになります。

エコノミー 80,000
プレミアムエコノミー 105,000
ビジネス 142,000
ファーストクラス 222,000

少しずつ取得難易度をあげているのですね・・・
しかし、今年の3月1日からは、出発の90日前までに予約すると必要マイルが少なくなる制度が始まりました。

東京へはフランクフルト(ルフトハンザ)、ウィーン(オーストリア)、チューリッヒ(スイス)から半分の40,000マイルで利用可能になります。

これは評価できる制度ですね。
Early Birdの特典航空券なら最大65%のマイル割引

フライトの2週間前の特典予約でもマイル割引になる

出発の2週間前から2日前までの予約で使用マイルが割引になります。
日本へは70,000。
ヨーロッパ内は35,000→20,000になります。

特典の座席が残っているのか、という疑問もありますが、割引率や直前の予約という状況から、ヨーロッパ内で利用したいときに便利そうですね。

5.アワードマイルを効率的にためるクレジットカード

Miles & More MUFGカード

日本で発行されているカードで、マイルズアンドモアと提携しているのは、Miles & More MUFGカードです。
www.cr.mufg.jp

ゴールドカードで、年会費5400円(税込み)、マイル付与率1%ですが、楽Payというリボ払いに登録すると、税込後3000円引きの2400円、付与率は1.2%マイルになります。

また、通常会員でも、このカードを所持している間は通常3年のマイル有効期限がなくなります
入会ボーナスマイルは2,500

Miles & More MUFGカードプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード

プラチナでは年会費30,240円(税込み)、マイル付与率1%、海外利用は1.5%。

こちらもリボ払いで、27,240円、付与率は国内1.5%、海外利用だと2%になります。
なかなかの付与率ですね。

さらに本会員、家族会員(年会費3,240円)ともにプライオリティパスが付帯しています。
同伴者も1名ずつ無料なので、合計4名で海外空港のVIPラウンジが利用できます。

プラチナのため、年会費がやや高いですが、付与率、プライオリティパスを考えると、なかなか魅力的なカードです。
www.cr.mufg.jp

まとめてみての感想

上級会員に関しては、エーゲ航空などスターアライアンス他のプログラムのほうが取得と維持の難易度が低く、またANAではSFCという永久資格もあります。Miles&Moreでの上級会員はHON Circleを体験してみたいという以外ではあまり積極的な理由が見つかりませんでした。

特典航空券をとるという目的には、アワードマイルの貯まりやすさと、特典航空券の割引予約の活用で、比較的少ない労力で特典航空券に交換できそうです。

上級会員は狙わず、プライオリティパスでラウンジ利用、カードも使ってMiles & Moreを貯め、特典航空券を利用する。というのもありかな、と思いました。

あるいはANAやエーゲなどで上級会員を維持しつつ、特典航空券狙いにサブ的な位置づけで貯めるのも欧州在住者なら検討してもいいかもしれません。

ANA海外ヨーロッパ発券でプレミアムポイントを安く貯める工夫

ANAのステイタス会員を目指してプレミアムポイント(PP)を貯めている人にとっては、アジア・オセアニア路線や国内長距離路線と比較して、ヨーロッパは運賃が高く、費用的な効率が悪いため、選択肢から外してしまうかもしれません。

しかし日本発に比べるとヨーロッパ発は割安で、さらに期間限定のスペシャル運賃を利用するとPP7円台も実現可能なほど、安い料金で手配することができます。

そこで、日本在住の人には海外発券として、ヨーロッパ在住の人には一時帰国で、ヨーロッパ発券でANAのプレミアムポイントやマイルを貯める工夫をお伝えします。

ヨーロッパ発券で値段を抑える方法についてはこちらの記事で紹介しました。
flyermiles.hatenablog.com

今回はこの方法によってどれほどの費用でプレミアムポイントを貯めることができるのかまとめてみます。
海外発券の仕組みについても解説してみたので、PP単価のよい例だけ知りたい方は3だけ読んでみてください。

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1.海外発券の基本構造。目的は安くより多くのポイント

日本在住の人は、
①日本→海外(日本発往路)
②海外→日本(ANA海外発往路)
③日本→海外(ANA海外発復路)
④海外→日本(日本発復路)
という流れになります。海外に2度滞在するプランです。

②と③の海外発券を挟むようにして①と④の日本発往復を組み、2回同じ場所に海外旅行をすることになるわけですね。

なぜこんなことをするのかというと、ANAでは日本発での料金が高く、同じ行先を逆に出発地にして往復したほうが安く、貯まるマイルやプレミアムポイントが多いからです。

海外発券の少し応用:何度も繰り返して効率よく貯める

こうしたフライトを沢山している人たちの傾向を見ていると、②と③の海外発券ではなるべく多くのプレミアムポイントを少ない費用で獲得することを狙い、①と④の日本からの往復は特典航空券や格安航空会社を使って低コストを優先していることが多いようです。

そしてその結果、①と④の期間を数か月の長期にして、海外発券を2度3度と繰り返す人も少なくありません。

こうして費用対効果の高い路線に繰り返し乗るという手段があります。

2.海外在住者は域内別都市発券として応用する

日本在住の人が海外発券する場合と違い、すでにそこに住んでいる人がANAで日本に行く場合は、通常は先ほどのように2つチケットを手配することはあまりないでしょう。

しかし最寄り空港を出発地にするより他都市からの出発のほうがお得な場合があります。

①最寄り空港A→都市B(域内往路)
②都市B→日本(ANA海外発往路)
③日本→都市B(ANA海外発復路)
④都市B→最寄りA(域内復路)

ヨーロッパではいくつかの都市発のプレミアムエコノミーがお得

この記事でヨーロッパの出発地別の通常運賃を比較しました。
https://flyermiles.hatenablog.com/entry/ana-tickets-from-europe

例えばミラノから日本へ行く場合、ANAで予約すると通常ドイツなどで1回の経由ですが、LCCで①ミラノからリスボンを予約、ANAでは②リスボン発フランクフルト経由のプレミアムエコノミーで東京へ、というルートをとるとトータルでもより安くなります。

さらにフランクフルトまでのプレミアムポイントも1700PP多く獲得できます。

ポルトガルの他に、スペイン、チェコハンガリーポーランド出発のANA海外発券がお得です(詳しくは上記記事参照)。

日本在住の人でも、台湾やソウルまでLCCで行って、そこを出発地にしてヨーロッパ行きの往復を購入するほうがトータルの料金が安く、マイルやステイタスポイントが多く獲得できる場合もあるようです。

ただし、このような手配の仕方はいつでもどこでもお得なわけではなく、また誰にでも推奨できることではありません。最寄り空港と出発地空港の距離や、その移動にかかる費用や時間によります。

目に見えて費用が節約できる、プレミアムポイントが多く獲得できる、そこに価値や楽しみを見出せる、という場合に検討してみてください。

近くの出発都市までは費用をかけずプレミアムポイントを狙わない

このような複雑なルートをいとわない場合、ANA販売航空券の出発地までは特典航空券や格安航空券などでなるべく安くし、この区間で得られるマイルやプレミアムポイントに期待しないことを基本的におすすめします。

ANAで100%以上の高い積算率の欧州域内路線はプレミアムポイント単価を含め、コストパフォーマンスがよくないからです。

3.ANAヨーロッパ発券で最もプレミアムポイントを貯める具体例

こうした工夫をしてANAのヨーロッパ発で航空券を手配する際に、最も効果が高いであろうルートの例をみてみます。

マイルやプレミアムポイント(以下PP)を貯めたい場合に値ごろ感が高いクラスは、プレミアムエコノミーです。

特にヨーロッパでは、リスボン発では通年運賃が安いだけでなく、経由地であるフランクフルトまでの距離が1000マイル以上あるため、プレミアムポイントを多く獲得できます。

また料金の安さではプラハブダペストワルシャワ発も魅力的です。

詳細な例は次のようになります。

期間限定運賃リスボン発沖縄行きでPP単価7.69円も

以下、2月上旬のセール運賃販売中にとったメモです。

リスボン発で沖縄を最終到着地にしたプレミアムエコノミーの場合は次のようになっていました。

(注:空港LIS=リスボン、MUC=ミュンヘンHND=羽田、OKA=那覇LHR=ロンドンヒースロー
  :航空会社LH=ルフトハンザ、NH=ANA、TP=TAPポルトガル

往路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
LIS MUC LH 1235 B/100% 1635PP
MUC HND NH 5866 N/70% 4506PP
HND OKA NH 984 Y/100% 1968PP

復路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
OKA HND NH 984 Y/100% 1968PP
HND LHR NH 6214 N/70% 4750PP
LHR LIS TP 971 B/100% 1372PP

合計:航空券代124,550円、PP16,199(内ANA運航13,192)、PP単価7.69円

期間限定プラハ発沖縄行きでPP単価8.36円

同じく2月上旬の期間限定運賃のプラハ発沖縄行きプレミアムエコノミーです。

(注:空港PRG=プラハ、VIE=ウィーン、HND=羽田、OKA=那覇
  :航空会社OS=ルフトハンザ、NH=ANA
往路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
PRG VIE OS 172 B/100% 573PP
VIE HND NH 5699 N/70% 4389PP
HND OKA NH 984 Y/100% 1968PP

復路

出発地 到着地 運航 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
OKA HND NH 984 Y/100% 1968PP
HND VIE NH 5699 N/70% 4389PP
VIE PRG OS 172 B/100% 573PP

合計:航空券代115,850円、PP13,861(内ANA運航12,715)、PP単価8.36円

那覇行きの効果は?1万プレミアムポイントの上乗せ

那覇行きで検索したのは私の実家や滞在先が沖縄だからではありません。
プレミアムポイントを獲得するためです。

たとえば羽田が本来の目的地の場合、上の2つの例では那覇で止まってしまうため、それぞれ那覇ー羽田の往復を追加する必要があります。
これによって、羽田ー那覇を2往復足すことになります。

追加で予約する国内線はプレミアムクラスにします。(2番目と3番目)

出発 到着 基本マイル クラス/積算率 PP(含む搭乗P等)
海外発国際線国内区間の往路 羽田 那覇 984 Y/100% 1968PP
国内線往路 那覇 羽田 984 SuperValueプレミアム28/125% 2860PP
国内線復路 羽田 那覇 984 SuperValueプレミアム28/125% 2860PP
海外発国際線国内区間の復路 那覇 羽田 984 Y/100% 1968PP

上の例でいう国際線国内区間として羽田ー那覇の普通席があることで3936PP増えます。
目的地を羽田から那覇にすると料金は1万円ほど上乗せ。時期によってはなぜか安くなることもありました。

そして間の那覇ー羽田で国内線プレミアムクラスに往復搭乗すると5720PPです。

この2往復を合わせると9656PP増えることになります。

さらに、国内区間の普通席を追加料金1万数千円を払って当日アップグレードすると1968PPから2952PPへ上がります。
すると最大で合計11,624PPを上乗せできることになります。

このように目的地を沖縄にするというのはPP獲得に大きく貢献できます。
シンガポールやクアラルンプール発の那覇行などが効率がよく人気なようです。

その他の工夫:貯めたマイルをスカイコインに交換し航空券を購入する

このように那覇往復をいれれば当然時間は余計にかかります

また、余計にかかるといえば、費用です。羽田ー那覇間のプレミアムクラスは28日以上前の料金でも時期によって変わるものの3万円以上します。

しかし、貯めたマイルをスカイコインに交換しすると、ANAの日本サイトでの購入に充てることができます。これは海外発の国際線もスカイコインで払うことができます。

まとめ

海外発券として知られている航空券手配の仕組みは、費用対効果の高い路線のチケットをメインにすえ、その出発地への自宅からの往復チケットを費用を抑えて手配する、というものでした。

シンプルなルートを複雑にしている側面がありますが、それによって得られるものに見合うと思うならば十分に有用な工夫です。

例にあげたように、時間はかかるものの、費用を抑えることや、マイルやステイタスポイントをより多く獲得することが可能です。

最も注意すべきは、2つの別々のチケットのため、乗り継ぎには十分な余裕をもって手配することです。

ANAで安いヨーロッパ発日本行き航空券を探す方法

日本とヨーロッパへの飛行機にかかる費用を抑えたい一方、やっぱり安心なANAが運航する便に乗ることを優先するなら、外国他社運航の格安航空券と比べてある程度の費用を覚悟することになると思います。

しかしANA運航便であっても費用を抑えることが可能な方法があります。

日本在住の人は2回ヨーロッパに旅行する前提ですが、ヨーロッパ発の往復航空券のほうが日本発より安いため、1回の往復は特典航空券や格安航空券を使い、間にANAのヨーロッパ発券を組み合わせることです。

今回はそのANAのヨーロッパ発でさらに安くする方法をお伝えします。

1つはANA期間限定運賃を利用することで、注意事項もあるものの、ANA運航便をお得な運賃で購入することができます。

2つ目はヨーロッパ内の出発都市によって差があるため、場合によっては安い出発地までの移動費用を入れてもなお安い場合があります。

主にこの2つの工夫による、ヨーロッパ発券の安い運賃の探し方とその効果についてシェアしてみます。
ヨーロッパ在住の人、日本在住のマイル修行をしている人、どちらにも活用できる内容になっています。

1.ANA各国サイトで期間限定運賃の情報を探す方法

海外発券を含め安い航空券は、Skyscannerなど航空券検索サイトや、Surprice!などの予約サイトから探すのが一般的です。

ただし、期間限定運賃の情報が上記のような外部サイトに反映されていないことがあるので、この場合公式サイトのほうが航空券検索サイトよりも安い運賃を販売していることがあるわけです。

登録住所を海外に設定しているANA海外会員の人は、メールのニュースレターを受信する設定にすると、該当地域のセールなどの情報が送られてきますが、地域によっては自国発のみで、隣国発のセールの情報が届かないことがあります。隣国発のセール運賃ならば、そこまでの移動費用を入れても大幅に安いことがあるからです。

ではどうしたら隣国も含めて、ヨーロッパ発の期間限定のセール運賃の情報を得られるのでしょうか。

ANAの海外発セール情報を得る手段:現状では各国公式サイト

私が主に利用しているのは以下の3つです。

サイトよりもアプリが便利です。ANA公式が出している情報はアメリカ発以外は少ないです。

情報豊富な海外掲示板です。お得な航空券情報もありますが慣れるまで探しにくいです。

  • ANAの各国サイト巡回

やや効率には劣りますが、おすすめできる方法です。

ANAヨーロッパサイトは8つ

巡回するのは決して効率的な方法ではありませんが、少しでも手間を省くために、ヨーロッパサイトをまとめました。

ヨーロッパに関してはANAのサイトで選択できる国のうち、いくつかの国がひとつのサイトにまとめられています。

ヨーロッパサイトを一覧にすると以下の8つのサイトになります。
(その他の国・地域はこちら
https://www.ana.co.jp/ja/destination/japan/

選択国 表示サイト
アイルランドウクライナエストニア
ギリシャクロアチアスウェーデン
スロヴェニアチェコデンマーク
ノルウェーハンガリーフィンランド
ブルガリアポーランドラトビア
リトアニアルーマニア
Europe & Middle East
イギリス United Kingdom
イタリア Italy
ベルギー、オランダ、ルクセンブルク Benelux
ドイツ、オーストリア Deutschland & Österreich
スイス Switzerland
スペイン、ポルトガル Spain & Portugal
フランス France

2.期間限定セールを利用する

8つのANAの各国サイトを回っていると、時折期間限定セールをやっていることがあります。
販売期間が非常に短いこともありますが、長めでは今年に入ってから2月と6月にセール販売がありました。

そして現在も8月後半から9月末、国によっては10月までセール中です。
(イギリス、スウェーデン、イタリア、ベルギー、オランダ、スイス、フランス)

プレミアムエコノミーでは5万円以上割引も

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例えば、イギリス、バーミンガム発成田行き往復で、通年運賃とセール運賃を比較してみます。
(為替は2019年9月8日現在)

クラス 通年運賃 セール運賃
エコノミー £667(約87,600円)~ £549(約72,100円)~
プレミアムエコノミー £1,527(約202,500円)~ £1,099(約145,700円)~

最低料金なので、実際に購入する場合はもう少し値段が高いことが多いですが、
エコノミーでは日本円にして1万5千円安く、
プレミアムエコノミーでは、5万7千円安くなっています。

特にフランスは、東京、名古屋、大阪での24時間以上の滞在(ストップオーバー)が無料もついています。つまり、最終目的地が大阪で、東京で数日過ごしてから行っても東京ー大阪間の料金が無料です。
フランス発は前回もこのストップオーバー無料がついていました。

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ロンドンとパリは言うまでもなく世界有数の大都市で、ANAだけでなくライバルのJALも就航させており、それぞれブリティッシュエアウェイズとエールフランスも日本へ就航させている激戦路線であるため、頻繁にこうしたテコ入れを起こっているようです。

期間限定運賃の注意

安くANA運航便に乗れるとはいえ、いくつか気をつける点があります。

  • セール販売期間が数日しかないこともある
  • セールの有無、販売期間が各国サイトごとに異なる
  • 搭乗期間が限定されていて、対象外の期間もある
  • スペシャル運賃は変更不可、払い戻し不可
  • マイルやプレミアムポイントの積算率は低い
  • 人気路線はすぐにセール運賃が売り切れる

このように、短い期間で確実に搭乗できる日を決めて予約する瞬発力が求められる運賃です。

特にマイルやプレミアムポイントを目当てにしている場合、エコノミーではかなり積算率が低いので、プレミアムエコノミーをおすすめします。
こちらについては別記事にまとめます。

3.通年運賃のヨーロッパ発券の最安価格比較

セール運賃期間は当たり前ですが限られた期間しか販売していません。

ここで、ヨーロッパ内に限って、出発地ごとの通年販売運賃の比較をしてみます。

ANA通年販売運賃最安比(2019年9月)

サイト 出発地例 エコノミー プレミアムエコノミー ビジネス
Europe & Middle East ダブリン(FRA経由) €763~ €1,384~ €2,663~
United Kingdom バーミンガム(DUS経由) £667GBP~ £1,527~ £2,297~
Italy ミラノ(FRA経由) €666~ €1,507~ €2,249~
Benelux ブリュッセル(FRA経由) €610~ €1,559~ €2,604~
Deutschland & Österreich デュッセルドルフ €760~ €1,440~ €3,006~
Switzerland ジュネーブ(FRA経由) CHF870~ CHF1,589~ CHF3,167~
Spain & Portugal マドリッド(FRA経由) €630~ €1,245~ €2,335~
Spain & Portugal リスボン(FRA経由) €678~ €1,285~ €2,646~
France - - - -

フランスに関しては閲覧した時点では期間限定運賃のみ記載されているため判明次第修正します。

通年料金で最も安いのはスペインとポルトガル、東欧

地域によって料金の差があることがわかります。

2019年9月現在の為替で、上の表の日本円最高値と最安値を比較します。

プレミアムエコノミーです。

出発地 最低料金
バーミンガム 約202,500円
マドリッド 約148,100円

いずれも最低料金なので、実際に購入する際はもう少し高い場合が多いですが、5万5千円近い差は決して小さくないと思います。

バーミンガムやロンドンからマドリードへは2時間半ほど、預け入れ荷物をつけても5万円することはないでしょう。

同じくリスボンの他、チェコプラハや、ハンガリーブダペストポーランドワルシャワからの出発も、年間を通じて割安です。

次にビジネスクラスです。

出発地 最低料金
デュッセルドルフ 約354,500円
ミラノ 約265,300円

ビジネスクラスではミラノ発のほうがデュッセルドルフ発より最大9万円安いようです。
続いて安いのはマドリードで、リスボンアイルランドブリュッセルと続きます。

まとめ

ANAヨーロッパ発日本行きの期間限定運賃と出発地別の運賃についてまとめました。

期間限定運賃は、

  • 自国以外は8つのANAヨーロッパ各国サイトの巡回が確実
  • プレミアムエコノミーでは5万円以上の差がある場合も
  • 期間が限られ、変更・払い戻し不可のため、慎重かつ迅速に手配する

など、大いに活用できます。

また、通年運賃は、

であることがわかりました。

日本からは安い場所を狙って旅行するのもありでしょうし、複数の都市を周るのもありでしょう。

ヨーロッパ在住なら、最寄の空港Aから出発での料金と、他の都市B空港出発での料金との差が、AからBへの往復料金(+ホテル代など)よりも大幅に大きい場合は選択肢にしてもよい場合もあると思います。B都市への旅行を兼ねてもいいでしょう。

しかし言うまでもなく移動回数が増えるため、節約できる金額と移動の負担を天秤にかけてみてください。

プレミアムポイントをなるべく多く貯めたい、という目的がある場合についても、今回の情報はとても役に立ちます。
実際私も期間限定運賃を利用して多く貯めることができました。別の記事で紹介してみたいと思います。